イーオの右側にあるI2C端子を拡張する基板を開発したので、ご紹介します。
WindowsやMac,iPadなどは、どんな場所にいても内蔵時計があって、正確な時間を表示してくれます。
しかし、micro:bitには残念ながら時計の機能がありません。普段は問題にならないのですが、理科的な計測をするとなると、時刻の取得は欠かせません。たとえば、1日の気温の変化を測定しようとしたとき、時刻と温度を記録する必要があります。
micro:bitに時計機能を追加するには、次のような時計モジュールを使うと可能です。
ただし、基板上のピンとmicro:bitのエッジを結ばないと行けないので、結構難しいです。
そこで、イーオ用の拡張基板を設計・開発してみました。3.3V仕様です。
この基板を、イーオのI2C端子(右側になるピン)に差し込むだけなので、簡単です。
この際に、イーオの電源を入れてください。
ちょっと出っ張るのですが、これでmicro:bitに時計機能が追加されました。
使い方は、拡張機能からDS3231と検索して、ブロックを読み込みます。
2つ候補がありますが、右側のブロックが使いやすいです。
初回だけ、現在日付と時刻を設定します。
一度、この設定を行うと、後は時計ユニットの電池があるので、時計機能が働きます。電源を切っても、消えることはありませんし、この設定ブロックは不要です。(電池の寿命については?)
うまく動作しているのか、確かめてみました。
時間を正確に刻んでいます。micro:bitの電源を切っても、時計が狂うことはありません。
そこで、気象センサを一緒に載せて、気温の変化を計測することにします。この基板には、時計ユニットと一緒にI2Cセンサーが複数載るように拡張ピンが用意されています。気象センサーは安価なのに気温と気圧を測定できるBMP280を使用しました。
上にある紫の基板が気象センサーです。これを使って、1日の気温と気圧の変化を測定します。
測定は、micro:bitのデーターロガーの機能を使って、1日直射日光が当たらないところに設置し、後ほど回収して、micro:bitのメモリーに記録されたデーターを取り出し、Excelでグラフ化します。
データーロガーを知らない方は、以前まとめたPDFがあるので、ぜひ参考にしてください。パソコンを接続しないで、長時間測定できるので、科学計測にはうってつけです。
※以前アップしたプログラムにバグがありました。
上のプログラムだと、micro:bitへUSBケーブルをつなぎ直した際に、「delete log」が実行されてデータが消えてしまします。
以前のデーターを消したい際は、「Aボタンを押されたら消去する」といったプログラムにしてください。
時刻と気温・気圧を一緒に記録するプログラムを作ってみました。
約1日、測定をしてみました。
まず、データーロガーを機能させると、micro:bitのドライブに、次のような「MY_DATA.HTM」というファイルができます。
この中にデーターが入っているのですが、このファイルをダブルクリックするだけでブラウザーが立ち上がります。
10分おきに、日時・時刻・気温・気圧が記録されているのが分かります。今回は、Excelでグラフを描かせるのでDownloadします。すると、CSV形式で保存されるので、そのままExcelで読み込みます。
このデーターを元に、気温の変化と気圧の変化をグラフ化してみました。
21日の予想最高気温が30℃でしたので、高めに出ています。これは、測定場所が自宅の南面に設置したためだと思います。また、午後から雲が多くなってきましたが、気圧が午後にかけて急に下がっているので頷けます。
このように、イーオに時計モジュールと気象センサーを搭載し、micro:bitのデーターロガー機能を使うことで、簡単に気象情報を記録可能です。
ご要望がありましたら、この基板と時刻モジュールと気象センサーをセットにした製品を販売いたします。